新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに
注目を集めている「消毒」ですが、
消毒と言ってもたくさんの種類があります。
今回は、新型コロナウイルスにも有効
とされているアルコール消毒と
エタノール消毒にスポットを当て、
それぞれの特徴とコロナに有効な濃度、
使用方法について解説していきます。
アルコールとエタノールは同じものなのか
アルコールはエタノールを含めた
アルコール類の総称です。
そしてエタノールはエチルアルコールの
国際科学命名法での呼び方で、
「エタノール」は「アルコール」の
一種なのです。
普段の生活の中で「アルコール」と
言われている物はたくさんありますが、
補足や詳しい説明のない場合は、
「エタノール」のことを指していることが
ほとんどです。
エタノールは酒精とも呼ばれその分子は
油になじみやすいエチル基 CH3CH2- と
水になじみやすいヒドロキシ基 -OH が
結合した構造を持ち、
他のアルコールが知られる以前から
広く用いられていた物質です。
また、様々な有機物を融解できるほか、
アルコール類の中では比較的毒性が低いため
溶媒として使われることが多いのですが、
溶剤・有機合成原料・消毒剤などとしても
多岐にわたり使われています。
(使用料としては、飲料8%・工業用15%・燃料用77%)
工業用アルコールのうち天然の原料から
作られた発酵アルコールは、
食品の防腐用・みりんなどの調味料の
原料などに使用され、
化学合成された合成アルコールは
接着剤・インク・塗料・農薬などに使用され
ています。
飲用(酒類)や医薬品以外の
エタノール(工業用アルコール)は、
ほとんどが変性アルコールと呼ばれるもので
エタノールにはメタノールや
イソプロパノールのアルコール類が
混入されているため、「酒」として
販売されている以外のアルコールを
「エタノール」として表示されているから
と言って薄めて飲んだり混ぜたりするのは
非常に危険です。
取り扱いには十分注意しましょう!
効果のあるウイルス
エタノールは芽胞を作る微生物以外の微生物
には効果があるとされていますが、
アルコール消毒はウイルスのエンベロープを
破壊することによってウイルスを失活させる
とされているため、エンベロープという
膜を持たないノロウイルスは
アルコール抵抗性が強く、次亜塩素酸水の
使用が推奨されています。
(エンベロープとは、単純ヘルペスウイルスや
インフルエンザウイルス、
ヒト免疫不全ウイルスなど一部の
ウイルス粒子に見られる膜状の構造のこと。
そしてこれらのウイルスにおいて、
ウイルス粒子(ビリオン)の最も外側に
位置し、ウイルスの基本構造となる
ウイルスゲノムおよびカプシドと
呼ばれるタンパク質の殻・層を覆っている。)
エタノールが効果的な代表的なウイルスは、
- ヘルペスウイルス
- インフルエンザウイルス
- HIV
- コロナウイルス
などがあり、
エタノールによる消毒をしておけば
一般的な風邪予防としては問題ないです。
日常生活で私たちに感染し
健康を脅かすものは少ないですが、
食中毒や病院での治療を必要とする
感染症もあるので、芽胞を作る代表的な
細菌も紹介しておきます。
・バシラス(バチルス)属(好気性または通性嫌気性の有芽胞グラム陽性桿菌)
・炭疽菌→炭疽の病原菌です。
・セレウス菌→食中毒起因菌の一つ。
・枯草菌→枯れ草などにつく非病原性細菌。遺伝子研究の材料に用いられます。
・納豆菌→枯草菌の変種とされることも。納豆の製造に用いられます。
・卒倒病菌→カイコなどのチョウ目の昆虫の幼虫の消化管内でBT毒素を産生し、卒倒病を起こします。
・クロストリジウム属(偏性嫌気性の有芽胞グラム陽性桿菌)
・破傷風菌→破傷風の病原菌で、錆びた釘などによる怪我が原因となることがある。
・ボツリヌス菌→食中毒起因菌の一つで、食品中でボツリヌス毒素を産生し、毒素型食中毒を起こす。
・ウェルシュ菌→ヒト腸内に常在する菌の一種。食中毒やガス壊疽の原因になることがある。
新型コロナウイルス予防に必要な濃度とは
コロナ予防に対して大切なのは、
エタノールの「濃度」と「暴露時間」です。
手指の消毒をするとき、少量のエタノールで
「消毒をしたつもり」になっていませんか?
最近はスーパーなどの入り口に
消毒薬が置いてありますが、
「ワンプッシュでお願いします」などと
書かれていますよね。
ですが、ワンプッシュでは十分な効果は
得られません。
ウイルスを不活化するための
エタノール濃度としては70%以上なければ
無意味とされています。
そして70%のエタノールを使用すると
仮定すると、暴露時間は30秒必要です。
つまり、70%の濃度のエタノールを
30秒暴露させると効果的な消毒をすることが
出来るので、手の消毒をする時には
30秒で乾かない量を使用する必要があります
さて、次に効果的な手指消毒のやり方
についてもお伝えしたいと思います。
効果的な手洗いの方法があるように、
手指消毒にも効果的なやり方があります。
ただ消毒をつけた場合と
効果的なつけ方とでは結果が大きく
変わりますね。
消毒を行う時は手の指先を中心につける
・指先はよく使う部分のため
菌がつきやすいとされています。
(ポンプ式の場合も片手ずつ行います。)
ポンプの場合は最後まで押し切る
・先ほど暴露時間でもお伝えした通り、
消毒液を少しつけるだけでは
あまり効果が期待できません。
基本的に消毒用のポンプであれば、
最後まで押し切ることで十分な除菌に
なるそうです。
出典元:サラヤ公式HP
まとめ
新型コロナウイルスに対して
有効な濃度を含めアルコール・
エタノール消毒について解説してきましたが
いかがでしたか?
正しく使用できていた方もそうでない方も、
適切な濃度で適切な時間乾かないように
使用し、新型コロナウイルスを含め
様々なウイルスからの感染を予防
していきましょう。