中国メディアの澎湃新聞が17日付で、

A型は他の血液型より新型コロナウイルスに感染するリスク高くO型は相対的に低い

とする研究レポートが発表されました。

 

レポート自体は査読待ちの状態ですが、

中国の南方科技大学、深セン市第三人民医院

(南方科技大学第二付属医院)、

武漢市金銀潭医院、武漢大学人民医院、

中国医学科学院阜外医院、華東師範大学、

武漢大学中南医院、上海交通大学の8研究機関により、

「Relationship between the ABO Blood Group and the COVID-19 Susceptibility」とのタイトルでmedRxivに掲載され話題になっているため調べてみました。

新型コロナウイルスと血液型の関係について

新型コロナウイルスと血液型の関係について、

依然として研究段階にあり結論は出せませんが、

今回は現状の統計と他のウイルスの例から

考えてみたいと思います。

 

まずは武漢の健常者3694人の血液分布と

新型コロナウイルス感染者1775人の

血液分布の統計をグラフにまとめてみました。

 

左が健常者の血液型分布で、

右が新型コロナウイルス感染者の血液分布のグラフです。

 

健常者と感染者で

血液型分布が大差ない血液型もありますが、

このようにグラフにしてみると、

新型コロナウイルスと血液型の何かしらの関係がありそうです。

 

次に、乾燥しやすい冬を中心に流行する

ノロウイルスを例に挙げて考えてみます。

 

ノロウイルスと新型コロナウイルスは

構造的にも症状的にも異なりますが、

どちらも感染力が高い点や予防手段が

衛生管理手洗いうがいが重要な点は一緒で、

特に「血液型との関係」という点では参考になりそうです。

 

ノロウイルスの「血液型との関係」は、

血液型によって耐性を持つ」ということです。

 

もっと詳しく言うと「血液型がB型の人はノロウイルスへの耐性を示す傾向がある」とされ、

 

本当に?なぜ?と思う方が多いと思います。

 

そもそも血液型がどうやって分けられているか?

 

ABO型の血液型は、赤血球の表面の構造で分類されています。

 

血液型が違うということは、

赤血球の表面の構造が違うと言われても

目に見えるものでもないですし、

イメージがつかないと思うので下に資料を載せておきました。

 

出典元:hatenablog.com

 

ノロウイルスは赤血球の表面にある抗原

と呼ばれる糖鎖に付着して感染を引き起こすとされています。

 

抗原抗体とは?】

免疫細胞が作り出す「抗体」は、

抗原」と結合することで、抗原を排除し、

抗体」を作り出す働きをしているのが、

獲得免疫」という機能です。

 

獲得免疫とは、体内に侵入した敵を記憶し、

次に侵入されたときにすぐ対処できるようにする免疫反応のこと。

 

この時、獲得免疫が「」として

認識する物質のことを「抗原」という。

 

ノロウイルスは赤血球表面にある抗原

呼ばれる糖鎖に付着して感染を引き起こすとされています。

 

上記で述べたように血液型によって

赤血球の表面の型が異なるため、

ノロウイルスが吸着しづらい型もあり、

吸着しやすい方もあります。

 

このことを研究した研究員のAnne M Hutson氏は、

O型はノロウイルスの感染がしやすく、

B型やAB型は感染確率が低いと論文で述べています。

 

こういったノロウイルスの研究結果も

出ているので、ここまでのことを踏まえて、

新型コロナウイルスと血液型との関係を

血液型別に説明していきます!

A型が感染しやすい理由

 

A型が感染しやすい理由として2つ挙げられます。

 

1つ目は、そもそも分母数が多いということです。

 

人口で見たときにA型の割合が多いので、

自ずと感染者も多くなってしまう傾向にあります。

 

2つ目は、新型コロナウイルスが

吸着しやすい抗原A型の赤血球の抗原である可能性があります。

 

「分母数が多く吸着しやすいのがA型」

となれば、健常者と感染者のグラフを

比較したとき、健常者よりも感染者の方が多く、

他の血液型よりも多いことが納得できますよね。

 

O型が感染しにくい理由

 

武漢の健常者の血液分布では、

1番多いO型の感染者数が少ない理由を

血液型(赤血球)の違いから考えると、

O型には抗原がないから」ということです。

 

ウイルスは赤血球の表面にある抗原に吸着して

感染を引き起こします。

 

この抗原がなかったらどうでしょう?

くっつきにくいですよね?

 

「くっつきにくい」つまり「感染しにくい

状態にあるため、O型は感染しにくいと言われています。

B型、AB型が感染少ない理由

 

 

B型にはB抗原があり、

AB型にはA・B抗原があるため、

ウイルスが吸着しやすい可能性もあれば

吸着しにくい可能性もあります。

 

 

しかし、B型とAB型については

抗原が関係あるかは定かではありません

 

なぜなら、健常者と感染者のグラフを見たとき、

割合に大きな差が見られないからです。

 

よって、B型とAB型は血液分布が少ないため

感染も少ない状態にあると、現時点では考えられています。

 

まとめ

新型コロナウイルスは

A型が感染しやすいという話題について、

血液型別に調査して解説してきましたがいかがだったでしょうか。

 

新型コロナウイルスは昨年(2019年)11月に

出てきたばかりの新しいウイルスで、

薬も治療法もまだまだ研究段階にあります。

 

血液型で見るとA型が感染しやすい傾向

にはありますが、感染力の強いウイルスなので

血液型に関係なく全ての人が感染するリスクがあります。

 

なので、「自分は大丈夫」と思った人も、

手洗いうがいなどの感染対策をして

感染しないように気を付けていきましょう。

 

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